見つめるその先に

0
2

深夜0時過ぎ。見知らぬ道をカーナビなしで走り、道に迷ってしまった。
焦る僕の隣では妻が「お腹空いた」とご立腹。
どこかコンビニでも…と探していると山猫軒という店の看板が光っていた。
妻に車を止めるよう言われ、店内に入る。
貴金属を持ち込むな。服を脱いでバターを塗りこめ。そんな指示が次々と出される。
ここはもしや注文の多い料理店では?と思うも妻は店の奥へとどんどん進み、ついには食事へとあり付いた。
出された料理は猫まんま。余りもので作ったまかないか?
だが、口にしてみると物凄く美味く夢中で妻と食べきった。
そんな私達を見つめる数多の目。
「猫まんまがそんなに美味しいとは、君達は普段あまりいいものを食べていないんだね。なら、君達は主には出せないな。その猫まんまを『マズい』というような舌の肥えた者の肉でないと主は満足しないからね」
そう話す猫の料理人達は私達の食べっぷりをいたく気に入ってくれた。
公開:22/04/12 20:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容