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ちょっと昔のお話。ある町には「真実のポスト」が点在していた。見た目は普通のポストとなんら変わりない。
ウーー、ウーー。
おっと、今日もまた消防車が走っている。きっと誰かが真実のポストに食われたのだろう。
「おい、助けてくれ」
ここにもいた。真実のポストに手を突っ込んだまま動けなくなっている人が。仕方なく私は消防署に電話した。
「手紙入れたんですか?」
「そうさ。今は離れて暮らしている妻に手紙を書いたんだ。『浮気の心配はいらないよ。離れていても毎日君を想ってる』ってね。妻、心配性だから」
はぁ。嘘か。そもそも浮気してないやつがわざわざ「浮気の心配はいらない」なんて書かないだろ。この真実のポストはその嘘を見破り、手紙を入れたこいつの手を食ったのだ。
ウーー、ウーー。
私の呼んだ消防車が呆れたような声を上げながら向かってきた。
ウーー、ウーー。
おっと、今日もまた消防車が走っている。きっと誰かが真実のポストに食われたのだろう。
「おい、助けてくれ」
ここにもいた。真実のポストに手を突っ込んだまま動けなくなっている人が。仕方なく私は消防署に電話した。
「手紙入れたんですか?」
「そうさ。今は離れて暮らしている妻に手紙を書いたんだ。『浮気の心配はいらないよ。離れていても毎日君を想ってる』ってね。妻、心配性だから」
はぁ。嘘か。そもそも浮気してないやつがわざわざ「浮気の心配はいらない」なんて書かないだろ。この真実のポストはその嘘を見破り、手紙を入れたこいつの手を食ったのだ。
ウーー、ウーー。
私の呼んだ消防車が呆れたような声を上げながら向かってきた。
ホラー
公開:22/04/12 17:00
ポスト
嘘
真実の口
日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。
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