逃げられない記念日

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「お誕生日おめでとう」

今日が誕生日の俺はそんな内容のLINEが誰からも送られてこなかったことに少しだけショックを受けて出社した。
さすがに会社の誰かが祝ってくれるだろうと期待して出社したのだが今日もこの会社では何事もなく時間が過ぎていく。
結局、誰1人として俺の誕生日を祝ってくれる人は存在しなかった。
誰にも祝ってもらえないことが無性に悲しくなった俺はコンビニで酒を買い込んで家に帰ってやけ酒をして気がついたら寝ていたようだ。
少し痛む頭を叩きながらスマートフォンを見ると今日も俺の誕生日であった。
もちろん「お誕生日おめでとう」というLINEは一件もなかった。
今日も昨日と同様に何事もなく誕生日のはずの1日が終わる。
誕生日に永遠に年をとりたくないという願いを叶えてもらった俺は死にたくなるほど後悔している。
何度死んでも明日は俺の誕生日でまた同じ1日がはじまる。
ミステリー・推理
公開:22/04/09 18:48

ばるさみこ

初心者ですがコメントやアドバイス等よろしくお願いします。
 

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