年下の青年

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ふと、私は彼に出会った頃のことを思い出していた。

新卒で入社した彼は、生意気な口調で社会の何たるかを語る若い男の子だった。

先輩社員の私に対しても、気に入らないことがあるといつも歯向かってきた。

「あんたね、何を甘いことを言っているのよ」
私達は、しばしば売り言葉に買い言葉で口論になり、その度に彼は仏頂面になった。

しばらく時間が経つと、生意気言ってすいません、と謝ってきて、一緒に缶コーヒーを飲みながら論点を整理するというのを何度も繰り返してきた。

あの頃と全く同じだな、と思い、私は苦笑した。

今、目の前の青年は、あの頃と変わらぬ生意気な口調で、これから先の私と過ごす人生の何たるかを語っている。

「何を甘いことを言っているのよ」
笑いながら反論する私に対して、仏頂面になりながらも負けずに彼は持論を語る。

後でコーヒーでも淹れてやろう、と思いながら私は彼との議論を楽しんだ。
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公開:22/04/09 15:33
更新:22/04/09 22:50
恋愛 パートナー コーヒー

ユカミリク

アラフォー。会社員。日常にありそうなブラック、もしくはホワイト、時々ブルーなことを書いていければと思います。

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