おかしな戦争１２　決戦！　ホワイトロリータ城

モリ・ナガは夢を見ていた。夢の中で彼は小国に生まれ、それなりに裕福な商人のもとで双子として生まれ家族に愛されて幸せに暮らしてた。
だが、平和な時代は長続きしなかった。

戦火の中を逃げ惑い、気がつけば残されたのは自分と弟だけ。
物乞いをしているところを修道院にひろわれてからはただ祈りと煩悶の毎日であった。

教義によれば、どこかに楽園があり我らはそこから追放されたらしい。
楽園を探し、修道院中の書籍を読破した。日々の祈りや奉仕も怠らなかった。

そんな彼だがどうしても許せないことが起こってしまった。
弟が法王の生まれ変わりという神託が下り、次期法王候補として認定されたのだ。

彼は弟を愛そうとしたが、彼の心は次第次第に嫉妬に傾いてしまう。
最終的に彼は最大の罪を犯す。弟を崖から突き落とし、なりかわったのだ。

汗をかいて飛び起きたのと、刺客が彼の天幕に飛び込んでくるのはほぼ同時だった。