雪結晶のオルゴール

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クリスマスプレゼントに貰ったのは、雪結晶が描かれたオルゴールだった。蓋を開けると冬の曲が鳴り響いて、綺麗なメロディーが奏でられる。私の宝物になった。

「このオルゴールはね。不思議な力が込められているんだ。寂しくてどうしようもなくなった時に鳴らしてみて欲しいんだ。きっと元気が出てくるから」

彼はそう言った。それから私は仕事で忙しくなり、家と職場を往復するだけの毎日を送っていた。休みもほとんどないそんな生活が数年続き、私はついに精神的に落ち込んだ。

「……もう何の為に生きてるのか分からない」

部屋には雪結晶のオルゴールがあった。私はオルゴールの蓋を開けた。メロディーが流れてくる。そしてオルゴールの曲が一曲終わると家のチャイムが鳴った。

「やあ。元気?」
「あっ……ああ……」

私は思わず彼に抱きついた。雪結晶のオルゴールは、彼のスマホと連動していて彼に連絡がいくのだと教えてもらった。
公開:22/04/10 09:33

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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