見つめるその先に

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雨が大好きな幼い孫に蛇の目傘を譲った。
孫は目を輝かせると蛇の目傘を嬉しそうに受け取り、雨まだかな~、なんて呟いている。
お気に入りの雨合羽を着て、縁側に座っては空を見上げるその姿はまるでカエルのようだ。それを見て、孫に蛇の目傘を譲って良かった…と思う。
蛇の目傘はとても目立つからね。カエルは目立たないと車に轢かれて死んでしまう。孫が交通事故に遭わないようにとの願いを込めての贈り物でもあった。
それにあの蛇の目傘、古いが目の鋭さは健在だ。蛇に睨まれた蛙、なんて言葉があるように、孫があの傘を持っている間は無茶な行動が出来ない。無意識に動きが遅くなる。
雨の日に走ると危ないからね。睨まれているくらいが丁度いいんだよ。
それに蛇の目が睨みを利かすのは何も持ち主だけではない。持ち主を守る為、周りもしっかり見つめている。
悪いものが近寄れば蛇の目傘は大きな口を開けてシャーっ!と相手を威嚇してくれる。
公開:22/04/06 20:37

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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