四葉のクローバーって…

｢ママ！私知ってるんだよ！｣
私は無邪気な声のする方を向いて｢なぁに？｣と聞き返した。
｢四葉のクローバーってシロツメクサからできるんでしょ！｣
｢えっ…｣
一瞬雷に撃たれたような気がした。私も昔そうだと思っていたからだ。
(でも、実際はそうじゃない。四葉のクローバーはたしか…)
そう思って空を仰ぐ。
また娘の方に顔を向ける。
まるで水彩絵の具で塗ったかのようにキラキラした瞳。
そんな瞳に私は心を打たれた。
｢ねぇ、そうでしょ？｣
あどけなく首をかしげる。
｢…ええ、そうよ。よく知ってるのね。｣
彼女の顔はパァっと明るくなった。
｢だよね！だって四葉の花言葉は『幸運』なんだから！綺麗な花じゃないとね！｣
そう言って彼女はシロツメクサの花冠を作り出す。
｢ねえ、『よつは』｣
彼女の名前を呼ぶ。
｢貴方の名前はこの四葉からとったのよ。｣

踏まれてもめげずに綺麗な葉を4枚咲かせるこの緑から―