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田中義男は金がないのでそこら辺の草でも食べようと思った。季節は丁度春だ。いくらでも生えている。
土手に向かう。アホほどつくしやノビルが群生している。義男は満開の桜には目もくれず、一心にそれらをむしり取った。
「おしっこついてるよ」
顔を上げるとそこには20歳前後の爛漫な女性が犬と居た。
「洗えば大丈夫」
義男はそう答えた。それからしばらく会話をした。
ノビルはやっぱり酢味噌で、つくしは卵とじで食べるのが美味しいという事、最近飼い出したという事、近くに美味しいお好み焼き屋さんがあるという事、犬の一生は短いという事…。
「だから思いっきり遊ぶんだ」
そう言い残して彼らは家路に着いた。
義男は家に帰り、採ってきたつくしとノビルを洗い、酢と味噌を混ぜ、卵でつくしをとじて、グラスに麦酒を注いだ。
喉元の春を麦酒で流す時に義男は思った。
「よく喋る犬だったな」
土手に向かう。アホほどつくしやノビルが群生している。義男は満開の桜には目もくれず、一心にそれらをむしり取った。
「おしっこついてるよ」
顔を上げるとそこには20歳前後の爛漫な女性が犬と居た。
「洗えば大丈夫」
義男はそう答えた。それからしばらく会話をした。
ノビルはやっぱり酢味噌で、つくしは卵とじで食べるのが美味しいという事、最近飼い出したという事、近くに美味しいお好み焼き屋さんがあるという事、犬の一生は短いという事…。
「だから思いっきり遊ぶんだ」
そう言い残して彼らは家路に着いた。
義男は家に帰り、採ってきたつくしとノビルを洗い、酢と味噌を混ぜ、卵でつくしをとじて、グラスに麦酒を注いだ。
喉元の春を麦酒で流す時に義男は思った。
「よく喋る犬だったな」
その他
公開:22/04/06 15:28
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