「クリとクラ」

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むかしむかし、あるところにクリコとクラタロウがいました。
クリコは栗から生まれた女の子です。お目目がクリクリで、ちょっぴりぽっちゃりした体からは甘い香りが漂っていました。
クラタロウは酒蔵から生まれた男の子です。いつも顔が真っ赤で、クラクラさせた体からはアルコール臭を漂わせていました。
こどもの頃は仲良しだったふたりですが、おとなになるにつれ、まわりの連中により引き裂かれていきました。
クリコは大事に大事に育てられていました。しかしそれを不満に思っていたのです。クリコは家を抜け出しました。向かった先はクラタロウのもとでした。クラタロウは人目につかない森で生活していたのです。
ふたりは数年ぶりに顔を合わせました。
「相変わらず可愛いな、クリコ」
「クラタロウはクラクラしてるね。酔い過ぎよ」
「あぁ、そのクリクリなお目目にな」
「うん、昔から知ってたよ」
こうして、ふたりは純愛を貫いたそうな。
その他
公開:22/04/05 22:10

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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