シンデレラ

継母には野望があった。お城の舞踏会に娘たちをつれていき、王子様を虜にするのだ。
ただ、それだけでは不足だ。劇的な要素が足りない。身分違いの恋を実らせるのは、それなりの仕掛けが必要なのだ。
噂では王子さまは小さな足が好きだという。
継母は娘たちに厳命した。王子様に名前を告げてはいけない。その代わりに、小さなガラスの靴を落としていくように、と。
中国には纏足という足を小さくする文化がある。その靴に足がぴったりハマるのは、纏足をしているうちの娘たちしかいない。
全ては計画通りに行った。王子さまは娘たちにメロメロだったという。計算通り、王子様はガラスの靴の持ち主を探し始めた。
あとは王様の従者がこの家を見つけるのを待つだけだ。
そして数週間後。王子様はガラスの靴にピッタリ合う女性を見つけだした。
そして王子様は隣町にすむ幼女と末永く幸せに暮らしましたとさ。