遺書 テセウスの船

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昔から死にたかった。社会に適合できなかった。しかし、死への本能的な恐怖から、ここまでズルズルと生きてきた。
これから私は安楽死する。私の人格は消失する。そのためには時に化学の力も借りることだろう。

10年後の私は連続性という観点で、今の私と同一性があるだろう。しかし、その人格は全く違う。10年後の私はおそらく、社会に適合し、幸福で、死など考えもしないだろう。その時点で、今のこの"私"の人格は消え失せているのだ。

私は社会に適合できないという一点で、私のことが嫌いだった。でも、それを除けば個性として愛していた。少し残念だ。
さようなら。
その他
公開:22/04/07 13:34

ニカ

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