インタビューwithヴァンパイア

吸血鬼の私がこの仕事に就いた理由？簡単さ。私は無類の酒好きなんだ。
昔はワインを好んで飲んでいたが気まぐれに飲んだ日本酒に心奪われてね。
日本酒が私にもたらす高揚感といったらワインや人間の血の比ではなかった。それからはもう日本酒の虜さ。
だが聞けば日本酒は後継者不足で作り手が減っているというではないか。それは由々しき事態だ！
そこで私は酒蔵に弟子入りした。
日本酒は徹底した温度管理、日光が当たらぬ暗所での熟成が必要だと聞いていた。そんなの、吸血鬼の理想の職場ではないか！
私は酒蔵で生き生きと働き始めた。ああ…好きを仕事に出来るってこんなにも素晴らしい事だったんだと感動した。
勿論楽しいばかりではない。辛い事もある。だが私は日本酒が好きだ。この仕事を誇りに思っている。
今はもう人間の血は吸っていないよ。
日本酒の原料である美味しいお米を作ってくれる農家さんの数を減らすわけにはいかないのでね。