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「もう平気なのかい?」
主人はとても優しく聞いた。
「うん。体力はまだないけど」と、痩せ細った手足を見せて他人事のように笑う少年。着ている寝間着もぶかぶかで、開いた襟元からのぞく胸には大きな手術跡が見えた。
「俺たちが来ることは知ってたのか?」
一通り事情を聞いた主人は本題へと移った。
「というより、分かったっていうのかな」
言ってキノワは、枕元から封筒を手に取った。それは紛れもなく蒼猫の予告状であった。
「どうしてそれを?」
受け取った主人は、中身を確認しながら尋ねた。
「それって御宝の持ち主にも送られるんでしょ。僕の場合は元持ち主だけど」
「…あなたの手元にお戻ししよう」
主人は最後の部分だけを声に出して読み上げた。『頂戴しよう』と書かれていた我々宛てのものとは、文体が異なっていた。
読み上げた直後、主人から刺激的で沸々とした匂いを嗅ぎ取った。それは落胆の籠った怒りだった。
主人はとても優しく聞いた。
「うん。体力はまだないけど」と、痩せ細った手足を見せて他人事のように笑う少年。着ている寝間着もぶかぶかで、開いた襟元からのぞく胸には大きな手術跡が見えた。
「俺たちが来ることは知ってたのか?」
一通り事情を聞いた主人は本題へと移った。
「というより、分かったっていうのかな」
言ってキノワは、枕元から封筒を手に取った。それは紛れもなく蒼猫の予告状であった。
「どうしてそれを?」
受け取った主人は、中身を確認しながら尋ねた。
「それって御宝の持ち主にも送られるんでしょ。僕の場合は元持ち主だけど」
「…あなたの手元にお戻ししよう」
主人は最後の部分だけを声に出して読み上げた。『頂戴しよう』と書かれていた我々宛てのものとは、文体が異なっていた。
読み上げた直後、主人から刺激的で沸々とした匂いを嗅ぎ取った。それは落胆の籠った怒りだった。
ファンタジー
公開:22/04/04 22:07
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連載
怪盗
探偵
犬
猫
宝石
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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