季節外れのサンタクロース

幸福度世界一の国が、ざわざわしていた。
20万円もする防弾チョッキの需要が高まり、核シェルターの準備を始めた。
そう、隣国が狂った大国に攻撃されたからだ。
助けたくても手出しはできない。
平和的に解決できる方法を模索した。
「そうだ、我が国にはサンタクロースがいるではないか！！」
相談されたサンタクロースは、プレゼントを配り終わりほとんど空っぽになった袋から、世界地図とハサミを取り出した。
「縁切り地図の出番とは、なんてことだ！」
狂った大国は隣国と切り離され、太平洋のど真ん中にポツンとひとつ置かれた。
サンタクロースが皮肉った。
「大国さん、どうだい居心地は。流行りのポツンと一軒家みたいじゃないか。干渉せず、されず、いいね」

小さな長細い国が笑顔で言った。
「私のサハ〇ン、千〇列島は連れていかなかったのね」