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この春、ウチの会社に優秀な新入社員がやってきた。
若く賢く仕事も出来る。スポンジが水を吸収するかのように教えた事を覚えるのでこちらとしても育て甲斐がある。可愛い後輩とはまさにこの事を言うのだろう。
会社としては喜ばしいところだが新人にこうも活躍されては先輩としては少し嫉妬してしまう。
だから俺は新入社員を呼び出した。
俺は教育係ではないがあえて教えてやろう。社会の理不尽さと会社の厳しさって奴を。
俺の無茶ぶりに新入社員は困った顔を見せる。なんだその顔は？新人なら上司の言う事を聞け！
こんな事も出来ないのか？お前は一体何を学んできた！
俺に絞られ、見る見るくたびれていく新入社員。まるで掃除に使うスポンジだな。
ま、俺のストレスを洗い落とす道具と思えばふさわしいんじゃないか？

新入社員が俺を訴えた。俺の悪事を洗いざらい告発した。
さすがスポンジ。会社一の汚れである俺を見事に落としやがった。