おかしな戦争 閑話1

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十八党のビーノ男爵は頭を抱えていた。
あのモリ・ナガ教主国から使者が来て、自分たちに協力するよう要請があったのだ。
断るとモリ・ナガ教主国内の活動を一切禁じるという実質脅迫である。
諸国を旅し、歌や見世物で資金を得ながら伝聞を広げるのが吟遊詩人の仕事なので
強大なモリ・ナガ教主国に入れなくなるのは彼らにとって致命傷といってよい。
だが長年保ちつつげた中立性を失うのは吟詠詩人の誇りがゆるさなかった。

考えた末、彼はブルボン王朝のルマンドとモリ・ナガ教主国にそれぞれ蜜書を送った。

モリ・ナガ教主長は愉快だった。
あなた方の教義に「野を飛ぶ鳥たちの歌を止めてはならない」という一節があるが、それは私達吟遊詩人のことではないか?
もしそうなら我らを縛ろうとするのはやめていただきたい。縛ろうとするならその地を去るまでだ。
面白い。この私に楯突くとは、このビーノ男爵という男少し泳がせるとしよう。
ファンタジー
公開:22/04/02 01:50

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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