ダイヤモンドバックホテル

7
2

バックパック一つ肩に担いで旅をする流浪人、それが俺という人間で、この生活を始めてかれこれ2年が過ぎようとしていた。
それは、残暑どころではない暑さが冷めやらぬ10月のアリゾナの荒野で、小さな岩の影で休憩をしている時だった。
突然、俺の目の前に場違いなハワイアンの立派なホテルが姿を現した。
暑さで頭が沸いていたから気付けなかったのか、本当に唐突に現れたのか判断がつかない。
俺は少し水を貰おうとホテルに近づいた。
「ダイヤモンドバックホテルか」
名前からしても高そうだな、泊まるのは止そう。
そう思っていると、ホテルマンの男が言う。
「旅のお方、一泊1ドル99セントです。いかがですか」
「安いな、なら泊まることにしよう」

翌朝、ベッドで目を覚ますと、看護服を着た女が枕元に立っていた。
慌てて起き上がろうとするが、うまく体が動かせない。
「まだ安静にして下さい。ガラガラヘビに噛まれたんですから」
その他
公開:22/04/01 22:11
日笠山水夫 ダイヤモンドバックホテル ガラガラヘビ ホテル

日笠山 水夫

日笠山 水夫(ひがさやま すいふ)と申します。
いろいろと初心者ですが、よろしくお願いいたします。
どんなものでもコメントを頂けると、励みになります。

Twitter: 日笠山 水夫 (@mariner_basil) / http://twitter.com/mariner_basil

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容