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魔女の子に産まれたにも拘らず、私には魔法の素質がなかった。
母姉妹は魔法の使えない私を憐れむも爪弾きにする事なく愛を注いでくれた。魔法は使えなくても私にはそれで十分だった。
それに魔法が使えない代わりに私は精霊と仲良くなる事が出来た。中でもノームは私に大地と共に生きる術を教えてくれた。
私は家を出るとノームと共にイギリスの山奥で農業を営みながら細々と生きる道を選んだ。
魔女の子として生まれた私はせめて魔女として最後まで生きていたい。矜持がそうさせた。

農業を始めて初めての年、収穫できたのはまさかの霧だった。
食えもしないこんなものどうしたらいいんだ…
困る私を助けてくれたのはフードを目深に被った人間だった。
その人は霧を全部買い取ると私に食べ物を譲ってくれた。しかも「定期的に霧を売ってくれ」なんて言う変人だった。

あれからかなぁ…町で切り裂きジャックなんて悪魔が現れるようになったのは。
ファンタジー
公開:22/03/24 20:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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