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俺は昔プロ野球選手を目指し、毎日厳しい練習を繰り返していた。
それが良くなかった。名門高校で甲子園まで行ったものの、その時に負った怪我が原因でプロになれなかった…しかも私生活に支障が出る程の後遺症を負ってしまった…
壊れた体に絶望する俺にスポーツ専門医が筋継ぎを勧めてくれた。
幸い俺は野球一筋だった為、移植用の筋に困る事はなかった。体に馴染む筋を見て、俺は野球が好きで良かったと心底感謝する。
術後、何の後遺症もなく日常生活を問題なく送る俺を見て周りは驚く。怪我をしていたなんて信じられないと言われ、野球への復帰も望まれた。
だが俺はもう野球はしない。ブランクとか、そういうのが理由じゃない。
俺は一本しかない筋を筋継ぎに使用し、野球の筋の良さを失った。
周りはそれを残念がるが、俺からしたらそれは筋違いってものだ。
だってあの怪我があったからこそ、俺はスポーツ医学の道に進む決心がついたのだから。
青春
公開:22/03/23 20:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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