浮気ベンチ

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既婚者は、あの公園のベンチには座らない方が良い。そんな噂を聞いた。あの公園のベンチは、浮気ベンチと呼ばれていて、座った男女は必ず浮気してしまうのだという。

「そんなオカルトチックな話、信じられないな。大体疲れたらベンチにくらい座るだろ。ベンチに座った一組の男女が偶然浮気して、それに尾ひれがついて噂になっただけだろう」

現実主義な俺は、そう思いながら馬鹿らしいとベンチに座った。

「すみません。隣いいですか?疲れちゃって」
「どうぞ」

綺麗な女性が座った。その瞬間、なんだかドキドキしてきた。これは……ま、まさか……。

噂は本当だったのか!?俺はこの女性と浮気してしまうのか!?

そう思った瞬間、俺は胸が苦しくなって倒れた。心臓発作だ。

「大丈夫ですか!?」

女性が慣れた手つきで人工呼吸と心臓マッサージをして救急車を呼んでくれた。彼女は医者だった。

こ、これは浮気じゃないよな?
公開:22/03/26 09:25

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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