デブのおばさん、最終手段

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近所のおばさんは凛としたカッコイイ“ドーベルマン”を飼っている。
よく「犬は飼い主に似る」なんて言われるが、この犬は凄い。ちっとも似ていない。
食べる物も同じだろうから徐々に肥満体型になるのではと心配していた。
友人の木村はそんなデブのおばさんをいつもからかっていた。
勝手にデブのおばさんとあだ名をつけたのもこの木村だった。
散歩しているのを見かければ「もっと走ったほうが良いぞ」とか、何か食べていれば「散歩しても意味ないぞ」と叫んで逃げるのを楽しんでいた。
そんなある日、いつものように木村が「そのドーベルちゃんみたいに痩せてみろよ」と言ってからかっていると、リードを放され、猛スピードで木村に向かってきた。
それは、まぎれもなくデブのおばさんだった。
木村は二度見していたが、目が必死だった。
実はデブのおばさんはドーベルマンに飼われていたのだ。
ドーベルちゃんの口元が笑っていた。
ファンタジー
公開:22/03/28 07:00

ひまわり広場( 神奈川県川崎市 )

産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。

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