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「カンカンカンカン…」踏切の警報音が鳴り響く。
友達数人が、笑いながら線路の向こう側を歩いているのが見えた。
僕は、手を挙げてみんなを呼んだけれど、踏切の警報音と近づいてくる電車の音で
僕の声はかき消される。
僕の声は届かない。
僕は踏切を渡って、みんなのところに行きたいと思ったけれど、
遮断桿が僕の目の前に降りてきて、僕は向こう側には行けない。
電車の車両が凄い勢いで次々と僕の前をかすめていくと、その風圧で僕の体が揺らいだ。
電車が通り過ぎ、遮断機が開いた時、向こう側にはもう誰もいなかった。
踏切のこちら側と向こう側。そこに横たわるパラレルワールド。
僕は、いつ踏み切りのこちら側に来てしまったんだろう。今ではもう分からない。
いつかの踏切の警報音と電車の轟音で、僕の心の声はかき消されてしまった。
その他
公開:22/03/20 23:37

シロヒロ( 横浜 )

横浜在住のシロヒロです。
皆様の心の琴線に触れる作品を投稿できたら嬉しいです。

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