スポンサーの正体

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成田君は当時異例の『スポンサーのつく小学生』だった。
体操着や教科書は全て別注品。契約の兼ね合いであらゆる行事は別行動。
一度だけ本人に聞いた事がある。「成田君何かスポーツしてるの?」
スポンサー提供の給食を食べながら「分からない…」そして「皆と同じがいい」と小声で呟いた。
なので卒業式の放課後「卒業証書交換しよう。最後くらい皆と一緒よ。名前は私だけど」と1人だけ偉く高級感のある彼の証書と交換した。

今最も勢いのある企業、成田産業を一代で築き上げた社長の成田崇史。
人類初の火星旅行を終え、秘密裏にタイムマシンを開発したとの都市伝説もある。
記者会見で次は何をするのか問われると
「詳細は言えませんが恩人に質問の答えを言いたい。私の証書を見てみて」
うそ。私は押入れの奥からソレを引っ張り出して確認した。
証書のスポンサー名を見て驚愕する。
「ほんとに!?」
テレビの中の成田君は笑っていた。
SF
公開:22/03/21 06:00

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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