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ものもらいができてしまった。俺は眼帯を付けて鏡を見た。

「おお。格好良い。これは俺の右目に隠された能力を抑え込むための眼帯さ。フフッ」

数日が経ち、ものもらいもすっかり良くなった。しかし俺は眼帯を外さなかった。なぜなら俺の右目の能力を抑える為にこの眼帯は必要だからだ。
ああ、何か事件でも起きないものか。人助けしてえな。
学校に行く途中の事だった。横断歩道の信号が点滅しているのに婆ちゃんが渡れないでいた。

「おい、婆ちゃん。危ないよ!!」

声は届かず、婆ちゃんは横断歩道の真ん中で転倒した。そしてそこに車が猛スピードでやってきた。このままではお婆ちゃんが轢かれる。

「くっ……」

俺は右目の眼帯を外した。

「間に合え!!」

猛スピードで突っ込んできた車は、お婆ちゃんに当たる寸前でピタリと止まった。

「フッ……。まさかこんなところで俺の右目を使う事になるとはな」

という妄想だ。
公開:22/03/23 09:58

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
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