サルジオ・ヘンダーソン

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私は勢いよく局長室の扉を開く。
「局長、サルジオが脱走しました。」
「なに?すぐ捜索隊を出せ!いいか、今すぐだ!」

「サルジオについて、日本での目撃情報です。坂に垂直に立つ奇妙な外国人男性、間違いないかと。」
「奇怪なことをする。投薬の副作用だな。突然泣いたり厄介だ。実験が世間にバレるのはまずい、早急な確保を。」

「情報のあった関東を中心に掲示板での捜索も始めました。」
「早くしろ!アレが唯一の成功体なんだ。」

「ついにサルジオを──。」
「よくやった!よし!」
「それが、頭部の損傷が激しく、脳の回収すらできませんでした。」
「...なんだと?」
「丘から飛び降りたようです。規定に則り遺体は抹消しました。」
嘘だった。
そもそもサルジオを脱走させたのは私だった。
局は、成果皆無で間もなく閉鎖。
そうなれば、貴方は自由よ。
生きるのよ。
貴方なら失った時を、青春を、きっと取り戻せるわ。
青春
公開:22/03/22 17:49
更新:22/03/22 18:08
日笠山水夫 サルジオ・ヘンダーソン ヘンダーソンシリーズ

日笠山 水夫

日笠山 水夫(ひがさやま すいふ)と申します。
いろいろと初心者ですが、よろしくお願いいたします。
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Twitter: 日笠山 水夫 (@mariner_basil) / http://twitter.com/mariner_basil

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