アマゾソ

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「アマゾソでーす。お届け物でーす」

やっと手に入れた。書いたことが何でも現実になる鉛筆。大きさは小指くらいか。こんな胡散臭いものにすがりつきたい程、気が滅入っていた。

※鉛筆を使えば使うほど命が削られます

注意書きの書かれた包装には目もくれずに破り捨て、早速何を書くか考える。こういう類は必ず落とし穴があるものだ。慎重に慎重に…。

この鉛筆を増やして下さい

そう書いた途端

「アマゾソでーす。お届け物でーす。」

おっもう来たか

「アマゾソでーす。お届け物でーす。」
「アマゾソでーす。お届け物でーす。」
「アマゾソでーす。お届け物でーす。」
 ……
「アマゾソでーす。お届け物でーす」

鳴り止まないピンポン
やはり落とし穴があったか

キィーーーーーガシャーン

宅配のバイクで玉突き事故が起こった。と同時に意識がなくなった。

外には折れた鉛筆が転がっていた。
SF
公開:22/03/17 17:27

求肥( 一宮 )

25歳
私なんてこんなもん
お手柔らかに

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