高飛車な箸

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箸が折れてしまった。新しい箸を買わないとな。100円ショップのでいいか。
花柄の箸を選んで買って帰ってきた。

「何よ。汚い部屋ね。ろくに掃除もできてないじゃない」
「は、箸が喋った!?」
「当たり前よ。箸が喋ったくらいで驚くんじゃないわよ。これだから田舎者は。都会じゃ当たり前なのよ」
「いや、都会でもそんな話聞きません」
「ねえ。私、100円で売られてたのよ。どう思う?」
「えっ?いや、お買い得だと思います」
「違うわよ。本当に馬鹿ね。私程の美人の箸が100円なんてあり得ないって言ってるの」
「は、はぁ。あなたには100円以上の価値があると?」
「当たり前でしょ」

それから食べる度、箸にマナーがなってないと怒られた。おかげで綺麗にご飯を食べられるようになった。

「私を使う人間の作法がなってないのが許せないの。だからこれからもビシビシいくわよ」

なんて高飛車な箸なんだ。
公開:22/03/17 09:20

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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