ペーストライター

ペーストライターの仕事かい？
うーん、これまた難しい質問だね。
まずは依頼を受けるだろ。どんな文章にしたいか、どんな風に伝えたいか、ってのを送ってもらう。たいてい、依頼者は文章を決めてから依頼してきてるから、僕らが考える機会はそうそうないよ。そうしたら、手頃な雑誌を買いに行くんだ。昔は新聞が多かったけど......今じゃ大分少なくなってきてる。
んで、文字をチョキチョキとやるわけよ。それを紙に貼りつけて、文章を作ったら、あとは依頼者に渡すだけさ。あ、手袋忘れちゃダメだよ。傷やら指紋やらつけたら大変だ。依頼者に悪い。
やってみたらわかるけど、意外にやり甲斐のある仕事さ。僕が作った文章が依頼者の役に立った、ってすぐ実感できる。ほら、今もテレビでやってるだろ。

「文章には、『社長令嬢の身は預かった、返して欲しければ1億円を用意しろ』と書かれており、警察は......」