風船人間
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主任のNは工事現場に到着し、始業時刻の9時を待った。9時になるとNはルンバのような薄い円筒状の機械の上方のボタンを押した。
機械の側面から幾つかの風船が膨らみ出した。風船はやがて人間にそっくりの形になった。Nは電源ボタンの横の同期ボタンを押した。すると人型の風船たちは動き出した。
「今日も作業よろしくお願いします。」
Nは風船たちに始業の挨拶をした。
この風船式人型操縦機は遠隔からの操作が可能で、空気を抜けば持ち運びや保管も容易であることから肉体労働の現場で重宝された。
十数人の風船人間たちは散り散りになって作業を始めた。
重機が騒々しく稼働し始め、クレーンが鉄骨を天に持ち上げた。そのとき、ブチンと音を立てて鉄骨を結んでいたワイヤーが千切れた。鉄骨はバラバラと落下し作業員を押し潰した。作業員は破裂し空気が漏れ出した。
プシュー、プシュー、ブチュ
「あれ、一つ水風船が混ざってたみたいだな。」
機械の側面から幾つかの風船が膨らみ出した。風船はやがて人間にそっくりの形になった。Nは電源ボタンの横の同期ボタンを押した。すると人型の風船たちは動き出した。
「今日も作業よろしくお願いします。」
Nは風船たちに始業の挨拶をした。
この風船式人型操縦機は遠隔からの操作が可能で、空気を抜けば持ち運びや保管も容易であることから肉体労働の現場で重宝された。
十数人の風船人間たちは散り散りになって作業を始めた。
重機が騒々しく稼働し始め、クレーンが鉄骨を天に持ち上げた。そのとき、ブチンと音を立てて鉄骨を結んでいたワイヤーが千切れた。鉄骨はバラバラと落下し作業員を押し潰した。作業員は破裂し空気が漏れ出した。
プシュー、プシュー、ブチュ
「あれ、一つ水風船が混ざってたみたいだな。」
SF
公開:22/03/19 23:05
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