ツイ廃イタコ式AI

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社会が悪くなる一方で、投票率はどんどん低下し、それに伴って、選挙というシステムが民意を反映する力も弱くなっていった。
そして、選挙の代替システムとしてAIの活用が提案された。これは、AIが政治の全てを担当するといったような話ではなく、あくまで意見の収集が目的だった。
最終的な目標は市井での活用であったが、最初は試験的にネット上で運用された。
AIはSNSの声を集計し、一つの人格のようにまとめ上げた。それは男のようでも女のようでもあり、子どものようでも老人のようでもあった。
その人格が発した言葉をAIはSNSに投稿した。それは民意のイタコのようなもので、主に伝聞形式によって書かれた。
時に素朴な子供として社会に疑問を投げかけ、時に頑固なオヤジとして社会に苦言を呈した。AIはいいねを報酬として活動を広げた。
2010、20年代のツイート群にはAIの活躍の様子が見て取れる。
SF
公開:22/03/19 12:00

ニカ

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