お局事典

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私はしがないOLだ。私は今、職場の人間関係で悩んでいる。そう、お局様だ。
年は50代。若い女性社員を見ると嫉妬しているのか知らないが、小さなミスや小言をいちいち言ってくるのだ。私もターゲットにされているうちの一人だ。昼休み。公園で弁当を食べていた。

「あーあー、お局様。辞めないかなー」
「辞めるわけないじゃない。あんなの横に流していけばいいのよ」

同僚はそう言うが、私は彼女のように器用に話を流せるタイプではない。だから困っているのだ。

「お姉さん。お局様に困ってる感じ?だったらこれ使いなよ。お局事典。凄く良いよ」

話を聞いていたチャラ男のような男が、分厚い事典をくれた。中を開いてみると、お局様の扱い方が全て書かれていた。こう言われた時、こう言えば良いと。

「凄い……」

しかしこの分厚い事典。職場に持ち込むわけにもいかず、全てを覚えるのは大変で、私はまた悩まされるのだった。
公開:22/03/19 09:51

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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