悪魔火

3
2

雪の降る夜、私は小屋を見つけて扉を叩いた。

「ごめんください。私は旅の者です。雪が酷く、今晩泊めて頂けませんか?」
「いいですよ。上がってください」
「お邪魔します」

私は家に上がった。家主の男は、囲炉裏の火に当たっていた。

「旅のお方。こっちに来て火に当たってください」
「はい」
「温かいでしょう?」
「ええ。本当に。助かります」
「これはね、悪魔火なんですよ」
「悪魔火?何ですか?それは?」
「悪魔を燃やしてできる火の事なんですよ」
「悪魔?そんなものが実在するのですか?」
「ええ。私は悪魔殺しを生業にしていましてね。殺した悪魔の死体を焼いているんですよ。悪魔の死体は良質な油を含んでいてよく燃える」
「そうなのですか」
「……さて」

私は突然、家主に囲炉裏に置いてある串で心臓を一突きされた。

「お前も悪魔だろ?旅人の振りなんてして。悪魔火の匂いに寄ってきたか」

バレたか。
公開:22/03/15 11:09

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容