小さなタクシー

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 結婚式の招待状で思い出した。確かに昔、変なタクシーに乗った。座席が半分なくて(法律とか平気?)、東京のすごいミニチュアが置いてある。道がラメっぽく輝いてるのは点みたいな車の光で、運転手さんの虫眼鏡で見ると、私が今いる場所に、ちゃんと同じタクシー。これも走るんですか?
 ええ、どこでもお好きな所へ。
 何で元彼の住所をそこで告げたかは考えたくない。そして現実のタクシーが神南に到着し、小さなタクシーも北目黒の二度と見たくないアパートに着いた。
 つまり、招待状の送り主はあの時ちっちゃなタクシーから降りたもう一人の自分みたいで、なんか元彼と復縁してる。
 写真内のもう一人の私は、当然普通の身長で、名前も顔も全然違ってて(そして元彼の服装センスは未だに最悪)、でもまあ、別の人生を歩んだ私っぽい。趣味の悪い幸福にあっさり順応した強い私に、私は祝福の意を込めた大きなマルを、ご欠席、の方に贈りました。
その他
公開:22/03/15 21:00

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