処世術(門外不出)

実は私には門外不出の処世術がある。
この方法で私はこれまで生き抜いてきたのだ。

「徹底的に他者に頼る」ということだ。

日本人は人に頼ることを恥ずかしいと思う傾向にあると思う。

今は他人ではなく国家に頼り生計を立てている。

少しの気分の落ち込みを大げさに見せるだけで医師お墨付きの病名が貰える。

その肩書をひっさげ私は国の福祉制度を存分に利用している。

この依存のノウハウを国民はプライドのせいか使おうとしない。嘆かわしい。

今日はその制度の申請日。
暗い風を装い役所へ行く。

「残念ですがあなたは来月から制度対象外です。実は半年程前から希望者が増えてきましてね。その中でもあなたは元気な方だから・・・」

実は他人に依存してきた分、用が済んだら切り捨ててきた。
国の支援が無ければもう誰も私を助けてはくれない・・・

私の処世術が崩壊してしまう・・・