オルゴールと小鳥

私の誕生日には毎年、特別な手紙が届く。厚紙で出来た手紙は組み立てる事でオルゴールになる。
それが楽しみで今年はどんな曲かな？どんなデザインかな？と、誕生日が来るたびにワクワクしている。
差し出し人は私の母。母は私が幼い頃、遠い所に行ってしまったと父が話してくれた。
幼い私は母は死んでしまったものだと思っていたがそうではないらしい。遠く離れていても、会えなくても母が私を想ってくれているだけで心が温かくなった。
そんな母が数年前から写真も送り始めた。まるでギリシャ神話の女神のように小鳥に囲まれハープを弾く母。オルゴールも天国を彷彿とさせる音色だった。
その翌年は小鳥のような翼を持つ天使に囲まれる母の写真が同封されていた。
やはり母は死んでいたのか…と少しだけ悲しくなった。
そんな母が今年、不気味な音色のオルゴールを送って来た。写真を見ると死神とのツーショット。
母は今、どこにいるんだろう？