夕焼けガラス

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 窓の外から夜の深い紺色をした空気が入り込んでくる。室内は妙に静まり返っていて、自分が動く音以外何も聞こえない。
 夜になると少し心細くなる。あっという間に時間が過ぎていって、自分だけ取り残されるような気になるからだ。
 僕は緩慢な動きで立ち上がる。額をぼりぼりと掻きながら、別室へ向かう。
 扉を開ける。そこには、壁に貼られたガラスが4枚、並んでいる。ガラスの向こう側からは、夕焼けのオレンジ色の光が漏れている。
 ずいぶん昔、実家の蔵で発見したガラス。どういう訳か、常にオレンジ色に光っている。とても優しげな光。
 手を伸ばす。すりガラスになっているため、向こう側は見えない。仮にこのガラスを外したとしても、そこにあるのはただの壁なのだ。

 いつもここで思い出す。学生時代の記憶。放課後の教室からの景色と、部活動の声。
 未だに僕は、あの頃の思い出を忘れられないままでいる。
ファンタジー
公開:22/03/14 12:00
夕焼け ガラス

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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