オルゴールと小鳥

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昔々、京都の路地裏でひっそりと一人で店を切り盛りする芸妓さんがおりました。
店に従業員はなく、一人で切り盛りするその姿を見て、ある男性が絡繰り人形を贈りました。
「この絡繰り人形は芸達者でね。自鳴琴と蓄音機が内蔵されていて歌も歌える。きっと貴方の助けになりますよ」
芸妓は喜んで絡繰り人形を受け取り、早速次の座敷で披露しました。
が、当時は蓄音機の性能が良くなく、歌は度々止まり、何度も同じところを繰り返す。
自動琴の音は小さく、耳を澄まさないと聞こえない。
これでは使い物にならない…そんな絡繰り人形だがお客人のお見送りの際、名乗りだけは大声でしっかりやるものだからそのちぐはぐさが逆にウケました。
ダメな舞妓さんを見ているようだと反面教師の材料にもなりました。
そんな絡繰り人形。当時はその様子から”鶯嬢”なんて呼ばれていました。
今ではその意味を変えておりますが、言葉はしっかり残っております。
公開:22/03/13 20:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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