オルゴールと小鳥

我が家の老猫、マルはちょっとおかしなところがある。
私のペット、小鳥のピーちゃんの籠の前で腰を下ろし、香箱を組む。そして『ピーちゃんを解放しなさい』と言わんばかりに私を見つめてくる。
鳥籠を開けるとピーちゃんはマルの背中に乗る。そしてまるでマッサージをするようにマルの背骨を左右に行ったり来たり。
そのリズムに合わせて喉から聞こえるゴロゴロ音。まるでオルゴールだ。

小鳥のピーちゃんにもちょっとおかしなところがある。
ピーちゃんが鳥小屋に戻るとマッサージは終了。マルは腰を上げ、私の部屋から出ていく。
今度はピーちゃんが私に要求してくる。はいはい。今日はどの曲にしようかな…
CDをデッキに入れ、ピーちゃんに聞かせる。まるでロックシンガーのように激しいヘドバンを始めた。左右の次は前後か。

翌日もマルの背中に乗るピーちゃん。
左右を移動するそのリズムは昨日聞かせた音楽のそれであった。