公衆電話

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夜、ランニングをしているとどこからか音が聞こえた。音の鳴るほうへ行くと、公衆電話があり、俺は電話に出た。
「もしもし」
「あ、繋がった」
電話の相手は女性だ。とても上品で可愛らしい声で、おそらく20代か、もしかしたらもっと若いかもしれない。
「どちら様ですか?」
「エリと申します。そちらは今何年ですか?」
「2022年だけど」
「すごい、ほんとに繋がった」
エリと名乗る女性曰く、「過去通話学」を研究をしており未来から電話をかけていると言う。
「これからも、お話していただけますか?」
断るはずがなかった。きっと見た目も可愛いに違いない。以来、毎日この公衆電話に通った。
ある日の会話。
「今度タイムマシンであなたに会いに行きたいのですが」
「待ってます」
「そのためにお金が必要なのです」
「いくら?」
「300万円です」
「よし、すぐ指定の口座に振り込む」
詐欺だと気づいたときには遅かった。
その他
公開:22/03/13 17:00
公衆電話

雪宮冬馬

日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。

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