地方政党

僕は国会議員。
この度小選挙区から当選し、晴れて念願の国会議員となった。都心部の金持ちの息がかかった奴しかいない国会を変えようと決意を抱いて自分の席へと向かう。
席は当然左端だ。右端から僕の隣まで、全員金持ちの仲間である。
「おや、君が新人かな？」
「はい......あっ、先輩！」
僕の後ろの席から話しかけてきた彼は、３年前の選挙で同じ選挙区から当選した先輩だ。ここでの唯一の同志でもある。
「おそらくこれから我々は孤立無援の戦いをすることになるだろう。」
「そうですね。しかし何故我々はこんなに孤独な戦いをしなければならなくなったのでしょう。」
「もう過ぎてしまったことだ。都心部の利便性が向上した結果東京への移住者が増えて、東京だけ人口爆発が起きてしまった。そしたら国会は人口爆発を放っておいて一票の格差だとか言い始め、東京以外の全部が1つの小選挙区にまとまってしまったんだから......」