オルゴールと小鳥

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両親の煩わしさから解放され、一人暮らしを満喫していたある日。俺は風邪を引いた。
誰も見舞いに来ず、看病もしてくれない今、実家が恋しくなり涙が出てくる。
何か食べるものはないか…実家からの仕送りを這う這うの体で探っているとオルゴール箱を見つけた。
優しい音色が俺の冷え切った心を温めてくれる。俺は布団に戻るとオルゴールの音色を聞きながら眠りについた。
子供の頃の夢を見た。着物の似合う女の子が小鳥と歌を歌い戯れている。彼女がくれる草餅は俺の大好物だったな…
小鳥の声で目を覚ますと枕元に草餅が置かれてあった。
誰かお見舞いに来てくれていたのか?いや、そんな気配はない。
草餅を口にする。体の奥底から元気が湧いてくる気がした。
風邪が治ると俺は実家に電話した。久しぶりに両親の声が聞きたくなったのと夢で見た女の子の話を聞く為だ。
「それは座敷童だね。アンタが真面目に頑張っているから助けてくれたんだよ」
ファンタジー
公開:22/03/10 20:55

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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