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3月9日。今日僕は高校を卒業する。
卒業式が始まった。国歌斉唱に、卒業証書の授与。去年も聞いたような校長先生の話に隣の君は大きなあくびをした。僕が君を見てることに気づいたのか、少し照れてたね。
そのときだった。前のほうから黒くて丸い、大きな穴みたいなのが僕に近づいてきた。僕はそれに吸い込まれた。暗く、暗く、どこまでも深い闇。右も左も上も下もわからない。まるでこれからの僕の人生みたいだ。黒い穴みたいなのは新たな世界の入り口だったのだろうか。
隣にいたはずの君もいない。僕が昨日告白してOKしてくれた君が。卒業して僕だけ上京するって君はわかっていたのにどうしてOKしたの?上京して夢を叶えられるか、正直怖い。でも、目を閉じれば感じる。まぶたの裏に君がいる。大丈夫だ。僕は一人じゃない。
気づけば式も終盤、校歌斉唱だった。あれは一体何だったんだろう。体育館の窓から少し見えた羊雲は静かに揺れていた。
卒業式が始まった。国歌斉唱に、卒業証書の授与。去年も聞いたような校長先生の話に隣の君は大きなあくびをした。僕が君を見てることに気づいたのか、少し照れてたね。
そのときだった。前のほうから黒くて丸い、大きな穴みたいなのが僕に近づいてきた。僕はそれに吸い込まれた。暗く、暗く、どこまでも深い闇。右も左も上も下もわからない。まるでこれからの僕の人生みたいだ。黒い穴みたいなのは新たな世界の入り口だったのだろうか。
隣にいたはずの君もいない。僕が昨日告白してOKしてくれた君が。卒業して僕だけ上京するって君はわかっていたのにどうしてOKしたの?上京して夢を叶えられるか、正直怖い。でも、目を閉じれば感じる。まぶたの裏に君がいる。大丈夫だ。僕は一人じゃない。
気づけば式も終盤、校歌斉唱だった。あれは一体何だったんだろう。体育館の窓から少し見えた羊雲は静かに揺れていた。
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公開:22/03/09 17:00
更新:22/03/10 11:08
更新:22/03/10 11:08
3月9日
レミオロメン
卒業
卒業式
遠距離恋愛
日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。
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