空の監獄

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人は自由を求めて、空を見上げるんだ。
そこに例外はない。
昼間の青い空を見る時も、雲に覆われた空を見る時も、夕焼け空を見る時も、星空を見る時も、人の内は自由を求めているんだ。
そんなことはないっていくら言ったって、それは変わらないんだ。
僕もそうやって空を見上げるんだ。
まるで空が自由の象徴みたいに。
でも、そうしているとそれはおかしい事なんだって気付くんだ。
空は監獄に囚われているんだって。
人に伝えるために、その青を届けるために、世界を見守るために、着かず離れず、そこに囚われているんだ。
この世界で一番の囚人なんだ。
目の前にどんなに気に食わないことがあっても、干渉することはできなくて、そこを離れることは許されていないんだ。
人が見上げるその先に、不確かな一定の距離をもって在り続けるんだ。
それに気づくとね、いつだって空は青いんだ。
そんなものを僕らは「空」って呼ぶんだ。
その他
公開:22/03/07 13:12
日笠山水夫 日笠山 水夫 自由

日笠山 水夫

日笠山 水夫(ひがさやま すいふ)と申します。
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