荒っぽい恋

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電車の中、私は中年男に体を触られた。痴漢だ。声をあげたいが、恐怖で声が出ない。

「ゃ……ゃめ……て」
「おい、てめぇ。コノヤロー、次の駅で降りろ」

そう言うと、強そうな男の人が中年男の腕を掴んだ。

「痛ぇえ。遺ぇえ。す、す、すみません。勘弁してください」
「おい、女。お前も次の駅で降りろ」
「は、はい。ありがとうございます」

痴漢男は駅員につまみ出された。それから色々あって解放され、私は強そうな男にお礼を言った。

「ありがとうございます。助かりました」
「あー……ああ。じゃあな」
「あの、お礼させてください」

こうして私は、後日男性と食事をする事になった。そしてその夜の帰り道の事だった。

「おい、どこ行くんだ」
「家こっちなので……」
「今日は俺の家に泊まっていけ」
「えっ?」
「夜も遅いだろ」

彼はとても強引だった。でもそんな男らしいところに私は惹かれてしまった。
公開:22/03/07 11:24

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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