髭気(ひげき)

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かってはファッションであった髭たちは存亡の危機にあった。
「永久脱毛」なるものが流行り始めたためである。
永久だけあってこれをしてしまうと二度と髭は生えてこない。
髭にとっては屈辱であるが、それも時代の流れかもしれぬ。

だが、とある高名な霊能師が言った言葉によって髭の価値が再確認された。
「髭などの体毛は、体内の悪い気を出して外のいい気を吸う役割をはたしている。
流行にのまれ、安易に脱毛に手をだすと悪い気が体内にたまり病気や不幸が起きやすくなる。とくに髭は重要な通り道なので絶対に脱毛してはならない」


これを聞いた人々によって脱毛でなく植毛が流行になった。体を体毛で覆うことで気の流れをよくし
開運しやすくする。女性でも毛深いのがおしゃれとされ、町中をムックなみに体毛をはやした人々が行き交うようになった。

それにしても毛で一喜一憂するさまはまさに髭気(ひげき)としか言いようがない。
SF
公開:22/03/08 21:28
更新:22/03/08 21:33
安易に流行を追う危うさ

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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