本との別れ

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いつの間にか歳と共に本が一杯になっている。ぎゅうぎゅう詰めで本箱にも収まりきらず、ダンボールに入れ仕舞い込んでいる。
読んだ時々の感動や興奮を、いつかまた読み返したくなるのではと大事に残していたが、実際には何十年も手にする事は無かった。
結局は押入れも満杯状態で、其の重みで家の床が抜けるのではと心配になった。

そこで今後は新しい本を一冊買えば、古い本を一冊処分するルールを設定してみた。でもそれではイーブンで少しも減らなかった。新本1冊購入につき10冊を処分したらどうかと考えた。

一晩寝たら、チビチビ考えずにいっそう全部処分し未練を残さずスッキリした方が良い様に思えた。
古書販売店に相談すると、早速引き取りに車で来てくれる事になった。
当日本達は新しい読者を求めて、旅立って行った。
確かにここでズート、眠っているより価値ある生き方だと喜んでいる様にも思えた。
でも何故か私は寂しかった。
ファンタジー
公開:22/03/08 15:39

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