ソフトキャンディで遊ぼう

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僕は知育菓子のソフトキャンディだ。僕のソフトな体はちぎって練られて固められ、子供達の創造力次第で何者にもなれる。星、花、魚、猫、恐竜。自由自在。ただのソフトキャンディの僕を子供達は何かに変えてくれる。しかし僕を買ったこの男の子はどうだろう。僕を袋から出してそのまま、何もしてくれない。触りもせず、じっと僕を眺めるだけ。何者にもなれる僕を何者にもしない。なんだこの子は?僕を変身させないのか?つまんない奴…。そう退屈していた時だ。「出来た!」と急に男の子が叫んだ。何が出来たか分からない僕は困惑したが、その後ぶつぶつ呟いている言葉を聞いて全てを理解した。「まな板、ビート板、お刺身、まくら、ノート…」この子は…「想像」をしていた。平らなただのソフトキャンディを頭の中で沢山の何かに変身させていた。「つまらない奴」どころか「想像力の天才」だ…。僕は驚きと申し訳なさを感じながらじっと食べられるのを待った。
その他
公開:22/07/22 03:24

板里カエ( 静岡 )

いたりかえです。空想と創造の毎日です。

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