忘れもの

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仕事中心だった僕の生活は道端でなき続ける彼女との出会いで一変した。
一緒に暮らし始めた僕らはお互いの寂しさを埋め合うよう毎日寄り添って眠った。お互いの体温と鼓動が心地良い。
彼女の待つ家に早く帰りたい。一緒にいるだけで幸せだった。

僕が会社から帰ると彼女は部屋を散らかしていた。
それだけじゃない。食べたものを吐き、トイレにも失敗していた。
仕事で疲れている僕はうんざりした。もう彼女の顔なんて見たくない。
僕は会社で寝泊まりを始めた。

ある日気まぐれにネコカフェに入った。皆可愛い。でも僕の彼女の方がもっと可愛い。
そうだ、彼女は元気にしているだろうか?
久しぶりに家に帰ってみた。彼女は汚物に塗れぐったりしていた。
知らなかったんだ。猫がこんなにも弱い生き物だったなんて。
忘れていたんだ。一緒にいるだけで幸せだったのに。
僕はあの日の彼女のようになき続けた。もうなくことのない彼女を抱いて。
公開:22/07/20 21:17

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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