絵ノ木

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スーパーに食料品の買い物に行くと並んでいたのは、えのき茸ではなく、絵の木と書かれたモナリザ等が描かれた絵画だった。これは一体何だろう?普通のえのき茸とは違うけど。よく分からないので買う事はなかったが、それを友人に話すと友人は言った。
「えっ?お前、絵の木知らないの?面白いんだぜ?なら一緒に見に行こうぜ」
翌日、友人と絵の木が生えているという山に行った。山奥へ進んでいくと不思議な光景が見えた。大きな木に絵画がぶら下がっているのである。
「なんだあれは!?」
「あれが絵の木の木だよ。実が絵画なんだ」
「ええ!?モナリザとか最後の晩餐とか描いてあるぞ!?」
「実はモナリザとか最後の晩餐は、この絵の木の実が感銘を受けて自身の実に宿したんだ」
「植物が絵画に感銘を受けるのか!?」
「そうだ」
「食えるの?」
「食える」
「どんな味がするんだ?」
「ん?えのきと同じ味さ」
それは実に奇妙な植物だった。
公開:22/07/24 09:05

富本アキユ( 日本 )

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